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Reflections on Tsugaru ④ 自分にとって写真とは

(写真・文/柴田祥)


なぜ写真を撮るのか?
よく聞かれる質問です。自分の写真を通じてたくさんの人に地元を知ってもらいたい。観光誘致に繋がってほしい。
このようなことを想って撮ってますというのをSNS等で見かけたりしますが、私が地元の写真を撮るうえでそのような想いは皆無です。
自分の写真で何かを大きく突き動かせる等というのは驕りでしかないですし、どうも胡散臭い。

しかし自分の写真を観た人が津軽の地を訪れたというお話はこれまで何度も聞いたことがあります。
結果として、知ってもらう、観光誘致、地元のプラスになるならばそれに越したことはなくて。
自分が思うままに撮った結果の副産物でプラスの働きが起こることはとてもうれしいことです。

では何のために写真を撮るのか。
己の表現のため。
ということでもない。
いやまったく無いわけではないのですが、被写体 に対してライティングであったり、小道具を用意したりと何かしら加工を施すことはしないわけです。

私が撮るジャンルにおいてはあるがままを捉える必要があり表現が入る要素が少ないと考えております。
その時その場所でこんな写真を撮ってた人間がいたという記録による存在証明。
写真と併せて自身の痕跡を残したくて写真を撮っているのかなと最近考えております。

これまで恵まれていることに、写真を展示する機会を多数いただきプリントした写真を残すことができました。
そしてその活動と私の写真に目を留めてくれた方々が現れました。
この度、写真集出版ということで私の写真がこれまで以上にたくさんの方々の手元に残せるのではないかと期待が膨らむばかりであります。
何卒よろしくお願いいたします。